2024/3/15


10年ぐらい前、加藤さんが有吉ジャポンという深夜番組に出た。当時の加藤さんはレギュラー番組は未来シアターしかなくて、突然なんでこの番組に呼ばれた不思議だったけど立て続けに複数回ゲストとして出演した。後に加藤さんは同局のビビットに金曜レギュラーとして起用されたので、そのお試しだったのだろう。

この番組が、私は本当に嫌だった。

深夜枠の下種なバラエティで、当時あまりバラエティ慣れしてなかった加藤さんは出演しながらちょっと冷や汗をかいているんじゃないかと思った。すごく頑張って番組に食らいついてたのは感じた。この番組のノリ嫌だな~って思いながらも我慢して見ていたら、10年経った今でも恨んでいる企画が放送された。

「性交渉を経験したことのない三十代女性」を「やらみそ」と呼び、該当者をインタビューするというクソ企画。VTRは街頭でそうした女性を探し、最終的に池袋の乙女ロードで見つけた。当時20代半ばだった自分にとって、この映像はすごくショックだった。加藤さんがこのVTRを見てコメントを求められたらどうしようと怖かった。幸い、加藤さんには何もコメントを求めることなく終わった。ワイプにいた時間があったのか、あったとしてどんな顔をしていたのか全く覚えていない。恋愛経験が無いことがとてつもないコンプレックスだった20代半ばの自分。このまま年を重ねたら、こうした嘲笑の対象になるのか。テレビで好きなアイドルを見たかっただけなのに、こうした仕打ちを受けないといけなかった。今になって思う、あれは一つの精神的な暴力だった。

今、同じ企画がテレビで放送されたら時間帯を問わず一発アウトだろう。10年近く経って、進歩した部分は確実にあると感じる。「テレビが窮屈になった」なんて大いに結構。あの日の屈辱を忘れない。恐れたような未来は来なかった、このことを私たちは誇っていいのだ。