2023/11/20

 

来年3月に、今借りている部屋の更新時期を迎える。物価上がってるし、家賃も上がるんじゃないかなぁ……と思って今のマンションの空き部屋を調べたら、家賃と共益費が今よりトータルで3,000円高い。3,000円かぁ…………。現時点でも部屋探しの時に決めた予算ジャストぐらいなので、正直悩ましい。更新しないですぐに引っ越そうとは思わないけど、もっと会社に近いとか現場に行きやすいとかの条件が頭をよぎる。来年の今頃、ハマスタに住みたいとか言ってる可能性あるし。(度会くん次第)(ペイドが福岡で良かった)

そのうちここを離れるかもな~~という気持ちになった途端、なんだか今の生活のすべてが「惜しい」という気持ちになった。この「惜しい」は「手放したくない」の意味。家賃みたいな外的要因が無ければ、この暮らしをずっと続けたいぐらい気に入っている。

 

私が住んでいるマンションは駅から徒歩15分ぐらいで、部屋探しをした当初は「駅からちょっと遠いけど、家賃を考えたらやむを得ない」と我慢した条件だった。でも住んでみた今、立地としてとても絶妙な場所にあると感じている。駅から離れた分、図書館・屋内プール・ジョギングコースのある大きな公園のちょうど中間に存在している。駅に近づくとこれらが離れてしまうので、拠点として申し分ない。これらのおかげで生活が大きく変わった。そして、「駅から徒歩15分」の道のりの中に大きな楽しみがある。小さな、ひょっとしたら10年後にはもう無いかもしれない、昔ながらの商店街。

昔からありそうな魚屋、洋服屋、手芸屋、パン屋、肉屋、焼き鳥屋、などなど。後から入ったであろうエスニックなカレー屋、私が引っ越してからオープンしたカフェ。そして、商店街の「ドン」であろう個人経営のスーパー。朝の通勤時はスーパーだけが品出しに追われていて、帰宅時には夕飯時の買い物でそこそこ賑わっている。軒先に並べられた「今日の果物」の端っこに座って、店主であろうおじさんはお客さんや通りすがる人たちを見ている。そこを通り過ぎると、全然お客さんの入ってないカレー屋さんとカフェ。月に数日しか営業しない肉屋さん、大人気でいつも店頭でお客さんが待ってる焼き鳥屋さん。いいにおい。パン屋さんは、帰宅時間だともうあまり残ってないので土曜日の朝に行く。安くて美味しくて、店主っぽいおじさんはちょっと江戸っ子っぽいべらんめえで、一瞬びびるけど優しい。そうそう、この商店街は日曜と祝日休みなので、忘れると痛い目を見る。まあ痛い目って言っても近くにチェーンのスーパーもあるんだけど。お盆休み、年末年始もがっつり休むのでガラン……とした無人の通りを歩くことになる。こういうところも含めて、「生活」。人の暮らしがここにある。

住み始める前は、とにかく自分の条件に合った部屋を探すことだけに注力した。だから全て偶然、住んでみてから出会ったもので。今後同じように条件と家賃、利便性で新居を探したとして、この街のような場所にはきっと出会えない。だからここに…この部屋に…ずっと住みたい~~!!わーん!!給料!上げろ!給料!上げろ!

 

この結論に至ってから、帰りに大手チェーンのスーパーに寄っていたのを控えるようになった。そっちでしか買えないものもあるから、そういうものは買いに行くけど、それ以外はなるべく商店街の方で買って売り上げに貢献したい。そういう気持ちが芽生えた。いつか無くなってしまうであろうこの街の景色が、一日も長く続きますように。でも家賃は据え置きでお願いします。