2024/8/7

JAPANEWS

NEWSのアルバムが発売された!やったーー!!という気持ちと、通して聞いてみた結果「このアルバムと思想が合わないかもしれない……」というもんやりが存在する。思想が合わないっていうと言葉が強すぎるかな〜。でも『粛々と運針』の時と同じく、演者とは別に作り手と考えが合わないからこの言葉になる。

NEWS 14th アルバム「JAPANEWS」は、“日本” をテーマにした「ジャパニーズガイドブック」のような音楽作品。

(中略)

この作品は、日本、そして世界へと向けて放つ、NEWSの音楽表現、最高到達地点。
日本の魅力、音楽、人々、その全てを描ききったミュージックアルバムは、世界にこの1枚しかないでしょう。

パリオリンピックの開会式を見た後も考えたけど、「日本」をテーマにするって難しい。東京オリンピックの開会式でがっかりしたけど、じゃあどんなことをして欲しかった?って考えるとパッとこれって言えない。「なんかもっとかっこよくしてほしかった」っていうのはある。あの「色々偉い人が口を出した結果こんな風になっちゃったんだろうなぁ」っていうクリエイターとは別の意思が散りばめられてそう感が、ある意味日本っぽかったけど。グロい。

関係ない、開会式の悪口を言ってしまった。ここから本題。

JAPANEWSで気になるのはナレーション部分。第3章『日本の人々』。

日本を形作っているのはその勤勉さだけではありません。日本人の心には真心、多くの美徳が息づいています。災害や苦難を幾度となく乗り越えてきたこの国は、人々の前向きな姿勢と強い絆があります。日本人は困難に直面しても常に助け合い、支え合いながら進んできました。その根底には、他者を思いやる心とともに成長しようとする精神があります。訪れる人々も、きっとこのあたたかさと優しさに触れることでしょう。日本の美しさは風景や文化ではなく、そこに暮らす人々の心に宿っています。あなたの旅が、この素晴らしい国の本質を感じるものでありますように。そして、その心の温もりをどうかお持ち帰りください。

これが東京オリンピックの開会式のナレーションだったら「ほ〜〜〜〜ん」って感じで流したかもしれない。実際言いそうではある。でもこれNEWSのアルバムなんだよなぁ……万人に向けたエンタメなんだよなぁ……。今『虎に翼』という傑作を見てるのもあり、このナレーションで透明化された人たちのことを考えてしまう。だってさ〜〜「日本に住んでる人」って「日本人」だけじゃないじゃん。このアルバムを耳にすると想定される人たちも、「日本に住む"日本人"」だけじゃないじゃん。共に乗り越えてきたって言うなら、もう少しその辺りを考えて欲しかったかな〜……。私が日本に住んでる"日本人"じゃなかったら、すっごいがっかりするよ。この国に住んでても、いつまでも仲間外れというか「いないもの」とされるんだなって。寂しいじゃんそんなの!!!!NEWSのエンタメはそういうものなんだって思われるのも嫌じゃん!!!うう……がっかりした……。

 

このナレーションは、「日本人」の部分が「日本に暮らす人々は」だっただけで全然違う。ミセスがMVで燃えたときに「明日は我が身」というか「いつ類似例が自分の好きなアーティストで起きるかわからない」と思ったけど、やっぱり起こりうるなって思っちゃうよ。はーやだやだ!気難しいオタクでごめんな!でも今回だって、誰が書いたナレーションであっても「NEWSのアルバム」として名前が出るのはNEWSだし、メンバーのチェック通ってるんだよね?と思う。後もう一歩、優しい世界を作ろう。私もエンタメの力を信じているぞ。