2024/1/15

直木賞候補全部読んだ

まいまいつぶろ 村木嵐

まいまいつぶろ (幻冬舎単行本)

家重が将軍になるかどうかのところまでとても楽しく読んだ。特に比宮と心を通わせた場面と、家治が見事に場を収めた場面はすごくよかった。政治については難しくてついていけない部分があったので、自分の教養と集中力がもっと足りていればこの物語をちゃんと読めたのに……という悔しさが残った。個人的には、家重と忠光の直接的なやり取りをもっと読みたかった。


ともぐい 川﨑秋子

ともぐい


あらすじと帯の文字で「重そうだな……」と怯んで、最後になった。読み始めると驚くほどするすると読み進んだ。特に山の中の描写が素晴らしい。踏みしめる地面も、動物の気配も植物の匂いも一文読むごとに感じられた。正直、自分が自分の好みで読む本とはかけ離れている。「候補作全部読む」という意気込みが無かったら読まなかった。それでも、この作品の力に圧倒されて、引きずり込まれた。すごい読書体験だった。