BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe

 

人生で初めて行ったライブは、2004年に行ったBUMP OF CHICKEN幕張メッセ公演だった。当時バンプのツアーはライブハウスがメインで、彼らが大型会場でライブをするのはその時が初めてだった。当時の私は中学生で、今思えば何もわかってないクソガキだった。あの日のセットリストを今は一曲も覚えてないし、メンバーが何を言ったか、何か言ったかすらも覚えてない。ただ、12月の幕張メッセは待機列が極寒だったことと、断片的な景色だけは覚えている。当時の自分はきっと全てを一生覚えているつもりだった。なんだかちょっと申し訳ない。

 

今年の春に引っ越しをして、その荷造りの時に2004年のライブチケットを発見した。二つ折りでぼろぼろの紙を見て、お守りとしてずっと財布に入れて持ち歩いていたことを思い出した。大学生のころに一度バンプから離れて、その時に当時持っていたCDとグッズのほとんどを手放した。かろうじて残していたグッズのリストバンドのうち、2004年の時のものを昨日のライブに着けていった。このリストバンドは、バンプのロゴが入っているから好きだ。クソガキだったあの頃の自分を連れて行くような気分だった。

 

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BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 02/10-11(振替公演)

2022.7.3 セットリスト

01. アカシア
02. Hello,world!
03. 天体観測
04. なないろ
05. ギルド
06. イノセント
07. Flare
08. 銀河鉄道
09. リトルブレイバー
10. 才悩人応援歌
11. Aurora
12. ray
13. ファイター
14. メーデー
≪アンコール≫
15. クロノスタシス
16. 木漏れ日と一緒に(新曲)
17. ガラスのブルース
18. くだらない唄

 

全てのことを覚えていたいのに、何年か経ったらきっと忘れてしまう。懐かしの入場曲である、THE WHOの「A quick one while he’s away」が流れただけで涙が出たこと。「こんばんはBUMP OF CHICKENです」を聞くために生きてきたのに、肝心のそれが曲に掻き消されてあんまり聞こえなかったこと。「天体観測」でいつも観客が歌う部分を藤くんは歌わなかったこと。そのことを「かけがえのない友達がしばらく学校に来られなくなって、そいつの机を見ながら『早く来ねえかな』と待っているような感じ」と言っていたこと。その空白をなぞる作業は、とても愛おしい作業だから、安心して楽しんで欲しいと付け加えたこと。「なないろ」で七色に光るpixmobとレーザーが綺麗で、そっちばかり見ていたこと。「暗いバンドだから暗い曲を3曲やる」と言っていて笑ったこと。大人になったから刺さりすぎてしまう「ギルド」。イントロから『中学生の自分』が大暴れした「リトルブレイバー」。暗い曲を経た後の「Aurora」の眩さ。いつも棒立ちだったから「ray」の腕振りとクラップで慌てたこと。アンコールのガラスのブルース。大合唱の幻聴が聴こえた『空白』。BUMP OF CHICKENの音楽があれば、あと何十年でも生きていけると思った。

アンコールを3曲やった後、藤くんは一人残って私たちへ向けて話した。自分たち四人は石蹴りして遊ぶような友達から始まって、バンドを組んで、音楽が四人を結ぶ大切なものになったこと。背景にかかっている大きなBUMP OF CHICKENのエンブレム。最初は模造紙で作ったみたいな手作りの概念だったのが、とても頑丈で重たく、でもキラキラ輝くダイヤモンドのようなかけがえのない存在になっていたこと。その重さがしんどいときもあったこと。それでも続けられたのはバンプの音楽を聴く『君たち』がいたからで、自分たちが一番しんどかった時に支えてくれたのは君たち、君だったから、君が一番しんどいときに支えたい。そうやって歌っていきたいと思っていること。

そんなこと言うなら、歌えばいいよな。そう言って笑って、メンバーを呼び戻して、「くだらない唄」を演奏して歌った。10年後もここでバンプの音楽を聴けたらいいのにと、何度も何度も願った。

 

指切りをしよう 僕らにシワが増える前に

十年後の同じ日に

またここで一緒に絵を描こう

 

 

帰り際、CD販売ブースに立ち寄ってバンプのファーストアルバムを買った。18年前は持っていたのに、今は持っていないCDをもう一度買った。ライブの度に一枚買ったら、いつかまた全部揃うだろうか? タワレコの袋から飛び出たポスターが、嬉しくてちょっと可笑しかった。

 

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