2023/12/11

読み終わった本

図書館の返却期限に追われる日々。

どれほど似ているか

どれほど似ているか キム・ボヨン

「どれほど似ているか」書評 社会を照らすフェミニズムSF|好書好日

最近は書評を読んで興味を持って読む本が9割。インフルエンサー、ナビゲーター的な役割。SF短編って面白いな~、今年読んだ『いずれすべては海の中』もめっちゃ面白かった。

タイムマシンやAI、VR世界の発展、ディストピア的な未来、超能力者……。そういうSF要素でわくわくする半面、韓国の社会問題にぐさっと切り込んでて、かなりヒリヒリする。苛烈な受験戦争とか出生率の低さとかジェンダーの問題とか。それぞれ色んな仕掛けが盛り込まれている短編なので、「こういう話だった」っていうのは説明しづらい。一番好きだったのは「0と1の間」かな。自分も平成からタイムトラベルしてきた人間なんだ……。表題作の「どれほど似ているか」はガツンと来た。謎が解けた瞬間に自分の喉元にナイフ突きつけられてるみたいな。凄い。

読みながら、「このセリフ誰が言ってるのかわからないな……」ってことがちょいちょいあって、それは自分の読解力の問題かと思ってたけど、読書メーターを見たら読みづらいという感想もちょこちょこあって、そういうこともあるのかと思った。リーダービリティってこういうことなのかな?

 

道徳的に考えるとはどういうことか (ちくま新書)

道徳的に考えるとはどういうことか 大谷弘

難しかった。返却期限に追われて飛ばしながらバーっと読んだ。(それが原因では?)「道徳的に考える」とは「想像力と感情を総動員したごちゃごちゃしたものである」ということを説明しているので、確かにごちゃごちゃしていた。

メモ(自分なりのまとめなので書いてあることそのままではない)

・高速道路料金不払い運動を支持しない理由で「法律を破ってはいけない」と主張すると、キング牧師の公民権運動も支持しないことになる(主張に対する行動が近いから)

・ソクラテスが死刑を受け入れた理由は、ソクラテスの言葉だけだとピンと来ないけどソクラテスのアイデンティティや使命などの背景を「想像」すると、正しくないとは言えない

・全ての感情が正当というわけではなく、たとえば「怒り」の理由が根本から否定できるならば正しい怒りではない

・「感情自体に歪みを見いだせないときには、そこに一定の正当性を認めることは適切」→感情に歪みがある例:奴隷が逃げ出した時の、奴隷所有者への同情心→そもそも人間を所有することは正当化できるのか?という前提に理性的吟味が必要

・歪みを見いだせない感情例→ハックルベリー物語における「友達を助けたい」→感情そのものを否定すべき理由はない

 

考えた事例

「コンプラが厳しくなってテレビが面白くなくなった」→コンプラが厳しくなった背景にあるハラスメントなどは正当化できないので道徳的に考えていない

「テレビが面白くない」→感情そのものを否定すべき理由はない

・タレントが社名変更のアンケートで「変更したくない」を選んだことを、「被害者への配慮に欠けている」と批判することはできる。でも、タレントがそう考えるに至った経緯や背景を想像することも「道徳的に考える」ことではないか。

・事務所解体の原因になったとして加害を告発した被害者へ怒りを向けることは、怒りの前提に理性的吟味が必要。

 

むず!!!!!!読んだ人から全然ちげーよって言われるかも。これで読んだ気にならないでください。。(なれないよ)今日から朝井リョウ読みます。