いのちのうた2017を前に

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今から2年前。2015年の夏、私が日ごろから応援しているモーニング娘。が地上波生放送で「雨の降らない星では愛せないだろう?」という知る人ぞ知る名曲を歌い、その選曲に物凄く驚いたことがありました。

2017年、その「私を驚かせた番組」であるNHKの特別番組「いのちのうた」にモー娘。と同様に応援しているNEWSの加藤シゲアキさんがメインMCとして抜擢されました。今年で10回目というこの番組は、歌を通じて「平和について考えるきっかけ」を作ることをテーマにしており、2年前にモーニング娘。が代表曲のラブマシーンでも恋愛レボリューション21でもなく「雨の降らない星では愛せないだろう?」を歌ったのも、そのテーマのためでした。

telemusume.hatenablog.com

 

2年前の放送は戦後70年という節目の年だったこともあり、ゴールデンで全国生放送だったことを覚えています。今年は全国放送こそ深夜帯なものの、中国地方ではやはりゴールデンの時間帯。わざわざ「隠れ名曲」を出してくるほど強いメッセージ性を求める姿勢に、NHK、特に制作した広島放送局の「強い思い入れ」を感じていました。だからこそ、メイン司会としてNEWSから加藤さんが一人抜擢されたことには驚き、誇らしく思うと同時に「どうして?」という気持ちがありました。私は加藤さんの姿をここ数年見つめて来たので、加藤さんが趣味の映画や音楽、「NEWSな2人」などのお仕事を通じて社会や世界の様々なことに向き合って考えてきたことを知っています。2017年のツアーで披露したソロ曲「あやめ」はアルバムタイトルNEVERLANDから理想郷を想起し、「多様性」をテーマに自ら作詞作曲演出をした作品でした。「いのちのうた」が掲げるテーマへ寄りそうに適任だと思うからこそ、「番組を作る方々は、加藤さんの何をどこまで知り、どんなことを求めて依頼したのだろう」と知りたい気持ちがありました。

加藤シゲアキさんは、人気アイドルグループ<NEWS>のメンバーとして、また“ことば”を大切にする小説家としても活躍されています。「音楽」「エンターテインメント」そして「ことば」の世界にも造詣が深い加藤さんにメインMCをしていただくことで、番組の主旨に賛同して下さったアーティストの皆さんの歌がより大きなメッセージとして、ひとりでも多くの人に、特に若い世代の皆さんの胸に響くと考え、出演をお願いしました。

上記のディレクターのコメントによれば、加藤さんは「アイドルであり小説家」である部分を評価され、特に「ことば」と「若者への訴求力」を求められている様子。NEWS出演の発表も当初はなかったため、何よりも「司会者」としての仕事が第一にあるのだろうと解釈していました。

収録は広島文化学園HBGホールで公開収録という形で行われるとのこと。ご縁があり会場入り出来ることになった私は、番組のテーマ「平和について考えるきっかけ」にとことん乗ってやろう!と決め、一泊二日広島の旅のテーマを「平和学習」としました。加藤さんをメインMCに起用してくれたお礼と言ってしまうとなんですが、それが一番スタッフの皆さんも喜んでくださるかなぁと思ったので。本当は宮島に行きたかったけれど、いつでも行けるもんね。そんなわけで色々思うところありながら、ど平日に広島へ文字通り飛んで行ったのでした。

 

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6月のコンサートぶりの広島は、梅雨明け直後でとにかく暑かった!!!

平和記念公園へ来るのは実に修学旅行ぶり。あまりの暑さに買ったアイスも一瞬で溶けていく。平日にも関わらず原爆ドーム周辺には国内外から訪れている観光客がたくさんいて、その観光客向けに学生さんがアンケート調査?をしていて、地元の人が献花に訪れていて、沢山の方が入れ替わり立ち替わり立ち寄っていました。修学旅行で来たときはバス移動だったこともあり位置関係的なものが全然わからなかったんですが、大人になってから来てみると、本当に街のど真ん中でびっくりする。あと、小さいころに読んだ「こっちむいてみい子」という漫画でみい子が原爆投下の日にタイムスリップした話があったので、噴水を見ると「あぁ…」と苦い気持ちになりました。あれは長崎の方だったけど。

平和記念資料館は、残念ながら今回は時間の都合で立ち寄れませんでした。

 

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 会場のHBGホール前で、うちのシゲちゃんマスコット(右)とお声掛けて頂いたフォロワーさんのシゲちゃんマスコット。これ自作ですか?とたまに聞かれるんですが…なんと公式グッズです…。ピンクの毛深い身体なのは着ぐるみを着ている設定だからです。詳細はGoogleで。

 

公開収録はコンサート形式で、17時から始まって約2時間強でした。途中休憩を挟んだ以外は途切れることなく進行し、収録終了後もおまけで数曲見させて頂いて、「楽しんで帰ってくださいね!」という気持ちがとても伝わってすごく嬉しかったです。いや~~本当に楽しかった!大満足!!内容はオンエアを見て頂ければわかると思うんですが、とにかく広島交響楽団の皆さんの演奏と出演アーティストの皆さんのコラボがすごく贅沢で、「あぁ~~とっても良いものを見て聴いている~~~」という気持ちでした。特に映画「この世界の片隅に」で主題歌含む音楽・挿入歌を担当されたコトリンゴさんをすっごく楽しみにしていたので、オーケストラVer.を2曲も聴けて嬉しかった~!!音楽はもちろんステージの照明や夕焼けのような背景も綺麗で、平和を願うって美しいんだな~~なんて思ったりしました。オンエアは1時間強で、他に公開収録では無かった加藤さんのロケVTR等もあるそうなので、どこまで放送されるのか気になります。(多分カープの歌は無いんだろうな…)

 

ちなみに司会の加藤さんはかなり緊張しているのが伝わって可愛かったです。蝶ネクタイのスーツ姿がすっごい可愛いよ!!ビジュアル最高!!単独MCの姿は初めて見たんですが、ここまで緊張するとは知らず、やっぱり小山さんってすごいんだな~と改めて思いました。あと出演者に女性が多いせいか並ぶと背が高くてすっっごい脚が!!長い!!後日CMで流れたスーツで歌ってる姿がTLで若手演歌歌手と言われていたのには笑いました。ジャニーズ~~~!!!

 

こうしてたっぷり2時間楽しんでおまけの数曲も終わった後、オンエア日のお知らせとともに2つ発表がありました。

一つ目、NEWSも東京のスタジオで収録していること。

二つ目、加藤さんのソロ曲も収録していること。

これらは加藤さんの口から発表されたことだったんですが、「僕のソロ曲も…」と言った瞬間に会場から驚きと歓喜の悲鳴が上がりました。結構前にラジオで「あやめをいつかテレビで披露する機会もあるかもしれませんが…」的なことを言っていて、普通はそんなこと言わないので「まさか…」とは思っていたんですが、本当にそのまさかでした。公開収録分で大満足していたから、これにNEWSの歌が加わるだけでも十分すぎたのに…! 会場の反応に「今日一番の盛り上がりを見せるでない」と照れ笑いをして、最後は会場の「シゲー!!」という歓声に応えて袖に捌けて行ったのがすごく格好良かった。

この時点ではまだ「ソロ曲」ということしか明かされていなかったんですが、後日公式HPにソロ曲は「あやめ」であることが記載されて、加藤さんがメインMCに抜擢された理由が「ジャニーズ兼作家であること」だけではないこと、求められていた仕事が番組の進行だけではないことがはっきりとわかってすごくすごく嬉しいです。

これは私の勝手な想像も含むんですが、テレビ番組などでジャニーズのタレントを起用する際の目的の一つが(そして多くが)、そのタレントが抱えているであろう女性のファンへ訴求することだと思っています。だから加藤さんが「いのちのうた」に起用されたのも、それが大きいんじゃないかなぁと思っていました。 でも、曲目に「あやめ」があるというのは、加藤さんがこの歌に込めたメッセージが番組制作の方に届いて、この番組が発信したいメッセージに合致すると認められて、他にあまり類を見ない「メインMC」の「ソロ曲披露」、あるいは「ソロ曲披露」ありきの「メインMC抜擢」に繋がったんじゃないかと想像してすごく嬉しいです。ザ少年倶楽部プレミアム(NEWSがBSプレミアムでMCを務めている番組)のスタッフの方が「あやめ」を大絶賛して下さったという話も聞いているので、そこから何らかの形で「いのちのうた」に繋がったんじゃないかなぁ~? 加藤さんはこうした小さな出来事も色々教えてくれるので、色んな物事の繋がりを想像できて、「人生に無駄なことって無いんだなぁ」「すべて繋がっているんだなぁ」と時々思ったりします。きっとこの「いのちのうた」も次の何かに繋がっていくんだろうな。楽しみ!

 

 

 こうして「いのちのうた」収録を満喫した翌日は、「今を逃したら一生行かないかもしれない」という思いに駆られて朝一のバスで呉へ行ってきました。

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この世界の片隅に」は広島から呉へ嫁いだすずさんが主人公の物語。せっかくだし行ってみようかなとは思ってたんですが、生で聴いたコトリンゴさんがあまりにも良くて背中を押されました。こういう海自体全然見ないから新鮮~~~!!!

ロングラン上映中! 劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」公式サイト

 

 

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大和ミュージアムにて。

ど平日に一人で来ているのが珍しかったのか、ボランティアガイドの方が気にかけて下さって何度かクイズを出しに解説に来てくれました。すずさんが暮らしていた第二次世界大戦当時は広島より呉の方が人口が多かったんだよ、と教わって「えー!!」って驚いたり、「海賊とよばれた男」の話題になって(岡田くんすごい…)と思ったり。その中でも印象的だったのが、呉と広島では戦争に対する意識が結構違うのかな…ということ。そもそも訪れた大和ミュージアムが「科学技術の発展」をテーマにしている場所だったので、雰囲気が全然違うなぁと思いました。とは言っても大和の模型の隣の部屋では空襲を生き残った方の証言ビデオが流れていたり、人間魚雷搭乗員の手記が展示されていたりと色々あるので、もちろんもちろん戦争を肯定的に捉えている訳ではないです。ただ、ここは海軍の街だったんだな~~という空気が感じられました。今も海上自衛隊がすぐ横にあるし、すごく身近な存在なんだろうな。

 

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大和ミュージアムでだいぶ重たい気分になったので、海軍カレーを食べた後は街中をプラプラしました。こののどかさが夏休みっぽい。我が家は祖父母の家すらも関東の都会で、「田舎に帰る」という概念が無いので、なんかいいな~~と思いました。「ぼくの夏休み」って感じだ~!

 

ところでここから先はこれまで以上に完全に蛇足なので読まなくて良いんですが、私は小学生の頃にアメリカに住んでいて、現地の小学校で「原爆を落としたのは正しかった/間違いだった」というテーマでディベートをしたことがありました。(小学校ですごいテーマだ……)クラスに日本人の私がいた影響かはわかりませんが、「間違いだった」側に立った子が9割、「正しかった」側に立った子が1割で「正しかった」の主張は「原爆投下のお陰でそれ以上の犠牲を互いに出さずに戦争を終えられた」というものでした。このディベートは私が泣いたことで結論はうやむやになって終わったんですが(小学生なので許して……)、そんなこともあったなぁとこのブログを書いていてふと思い出しました。

修学旅行もそうですが、学生のうちは教育として戦争のことを考える機会はありますが、大人になると全ての選択が自分にあるだけに、自分から「考えよう」と思わない限りその機会もなかなか無いですよね。テレビで戦争の番組をやっている時に、チャンネルを変えない人がどれぐらいいるのか。映画を観に行って、数ある作品の中からそういうものを選ぶ人がどれぐらいいるのか。私自身、NEWSのツアーで2回も広島へ行ったのに、2回とも平和記念公園は行かなかった。それよりも広島城に行きたかったし、とうかさん(お祭り)に行きたかった。時間があるなら、宮島の方が行きたかった。

 

今度の「いのちのうた」も、もしかしたら録画でNEWSと加藤さんのソロだけ見ればいいや、というファンの方が実は多数なのかもしれません。別に意識高く「全部見て!戦争のこと考えて!」なんて言う気は全然無いんですが、アイドルを応援してたはずがこうして広島へ行っちゃったり、呉へ行っちゃったりするのもこれはこれですごく楽しくてご縁だなぁと思うので、「いのちのうた」にはありがとうって思っています。番組を制作した皆さんの想いが、一人でも多くの人に届きますように!そんな気持ちで、一人の加藤シゲアキさんのファンとしてオンエアの日を心待ちにしています。

 

いのちのうた2017 放送予定

中国地方先行放送
8月9日(水)午後7:30 [総合テレビ]

・全国放送
8月18日(金)午前0:10 ※木曜深夜 [総合テレビ]

NHKワールドプレミアム(在外邦人向け日本語テレビ放送)でも放送します

 

 

 

おしまい