2025/10/30

神田古本まつり

神保町で開催されている古本まつりに行ってきた。前日に読書会のために神保町へ行って開催に気付き、そのときは時間が無くて見れなかったので出直した。とはいえ18時までなのでじっくり見ることはできなかったけど…ざっと一時間半かけて見て回って、気に入った一冊を買った!

『太陽と花園』秋田雨雀

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“装丁が綺麗な本”を買いたいと思って詩集に狙いを定めていたけど、詩集と童話を集めたワゴンで発見した。1921年(大正十年)に発行された童話集を、1975年に復刻したもの。いくつか気になった本があった中で、決定打となったのがこの序文代わりの童話考察。

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人類の「永遠の子供」とは何んであらう?

A、何処までも発達して行かうとする性質。

B、自由であらうといふ欲望。

C、美しいものを愛する感情。

D、正義を愛する心。

更に、「永遠の子供」の持ってゐる最もいい性質は、美しいものと、正しいものとを一元にしやうといふ欲望である。

「永遠の子供」には今永遠の道を歩いてゐる。然し、私達の実際の眼の前に見る人間の生活は、常に自由を障げ、美しいものは滅ぼされ、正しい者は倒されてゐる。この生活の不正と醜さが「永遠の子供」に何んな影響を與へたか、この質問に対して、優れた童話は最もいい答えを與へて呉れるであらう。

童話とは「永遠の子供」の火花である。

し、し、痺れた……。104年前の文章でこんなにびりびり痺れるなんて夢がある。現代の本も、104年後に誰かを痺れさせるだろうか。
調べたところ、1921年に秋田雨雀は37歳だった。自分とほぼ同世代。当時は大正デモクラシー真っただ中であると同時に、戦争が近づいている時代。雨雀は左派で平和主義。知れば知るほど、あの膨大な数の本の中からこの一冊を選んだことに縁を感じる。「自分が大事にできる本」だけ買おうと思ったけど、ちゃんとそれができた気がする! 大切にしよう。

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ワゴンいっぱいの古本は「目に見える知」のようで、古本まつりを歩きながらじーんと感動した。このお祭りだって永遠じゃない。古本屋さんも、引き継ぐ人がいなかったらどんどん消えていってしまう。楽しめるうちに今の時代を楽しもうと思う。