仕事終わりに参政党のさ○の街頭演説を見に行った。
一か所目は大森駅。ちょうど終わりそうなタイミングで着いたので、演説の内容はほとんど聞けなかった。「こんなにガラガラな声になってしまって美しく君が代を歌えない」と言っていた。何が何だかだったけど、後から「そういえば歌手だったか」と思い出した。「さ○さん泣かないで~!!」と叫んでいるオレンジ色を着た人たちがいた。演説の最後に打倒自民を叫んでいたので、やっぱり反自民で売り込んでいるんだと知った。まだ18時前だったので聴衆は思ったほど多くない。静かにプラカードを持って抗議する人たちがいた。「女の価値を産む産まないで決めるな」というカードを持った人の前を、うんうん頷きながら通った。最後に参政党コールというコール&レスポンスがあった。演説が終わると、プロテストに来た人たちが拡声器で「参政党はロシアのスパイ」的なことを言っていた。以前Xで見たようないさかいは無かったけど、参政党のスタッフ?は公職選挙法の条文を印刷して掲げていた。(妨害行為の禁止みたいな部分)その裏面には支持者に向けて「妨害行為には冷静に対応しましょう」と書いてあった。どの口が、と思った。そういえば演説中もさ○は「妨害もこんなに来ていて……」と言っていた。
大森駅ではそんな感じだったので、夕飯を食べて二か所目の蒲田駅へ行った。今度は始まった直後に着いた。時間が遅くなったので、大森駅よりもたくさんの人が蒲田駅のロータリーに集まっていた。プロテストする人は大森駅よりも減った気がする。群衆が怖いので、少し離れた場所で待ち合わせしてるふりをしながら演説を見た。
最初の数分はさ○ではなく、男性がマイクを握って喋っていた。ずっとラグビーの話をしているのが謎だったけど、検索して、どうやら比例区で出ている元ラグビー選手らしいと知った。あまりよく聞いてなかったけど、ラグビーの素晴らしさと君が代がどうのと言っていたので、スポーツの国際大会とか日本代表ってこうやってナショナリズムに利用されやすいんだと思った。さ○の応援演説なので、「さ○さんの君が代を聴いて感動した」「こんなにすらっとして美しいさ○さんと一日中一緒にいられて幸せ」と言っていた。何を聞かされているんだ……と思った。
続いたさ○は、また5分ぐらいずっと君が代の話をしていた。なんでずっと君が代の話をしているんだ……本当にこれで都民の支持を得ているのか……?と謎だった。思ったよりさ○は演説が上手くない。もっと巧みな話術で扇動するかと思った。
君が代の話がやっと終わって、例の「日本人ファースト」の話に移った。ここで、さ○の本領発揮を見た。さ○は「私って可哀想」が上手い女だった。
「日本人ファーストと言うとすごく批判される」と切り出し、「どこの国でも自国民ファーストを掲げるのは当たり前のことなのに、当たり前のことを言えない日本はおかしい」と言って聴衆を煽った。「どうして同じ日本人が日本人ファーストを批判するのか理由がわかりません!!」と叫んだ。呼応して歓声をあげる聴衆。「でも、そんな人たちも私は救いたいと思っている」。いや救いたいってなんだよ。お前に救われたかないわ。何「寛大な私」アピールしてるんだよ。はらわたが煮えくり返る。「待ち合わせしてる人のふり」をいったんやめて、「差別に投票しない」のプラカードを持っているおじさんの元へ行ってサムズアップをして、また元の位置へ戻った。
参政党に投票して欲しいんじゃない、政治に参加して欲しい、投票して欲しい。耳障りの良い言葉を言った後、選択的夫婦別姓を「強制的親子別姓」と言い換えて語気強く批判した。「こどもたちは選択的夫婦別姓は嫌だと言っている。なぜなら親子で名字が”強制的に”違ってしまうから。兄弟でも違ってしまうから。こんなのってない」と叫んだ。こんなのってないのはどっちだ。今の制度こそ「強制的夫婦同姓」なのに。「選択的」なんだからそこを気にするなら同姓を「選択」すればいいだろ。「そうだそうだ」と歓声をあげる聴衆に当事者は誰もいないだろう。世論は「選択的夫婦別姓の導入に賛成」と思う人が過半数を占めるのに*1、ここでは圧倒的少数派のように思える。
マグマのような怒りで、「早くこんなところから去りたい」と思った。最後に聞いたテーマは「消費税廃止」だった。消費税をなくせば日本人だけでなく日本に来た外国人もみんな同じ恩恵を受けられる。みんな平等に助かる。「だから差別なんてしていないんですよ!!差別なんてしていない!!」と叫んだ。 それだけで? ついさっき日本人ファーストって言ったばかりなのに? 限界が来たのでここまでで帰った。帰り道、色んな事が悔しくって涙が出そうになった。私が持っている「差別に投票しない」のポスターは、「差別じゃない」と言われてしまったらおしまいだ。今まさに言葉で人を踏みつけながら、どうして自分が被害者のように振舞えるのだろう。卑怯だ。
公然とした差別は、一度始めてしまったら止まらない。どんどんエスカレートしていくに決まっている。歯止めがかからなくなったトランプ政権を見ながら、何度背筋が凍ったかわからない。移民局の取り締まりに怯える外国ルーツの人々、デモ隊鎮圧のために海兵隊の動員、留学生すら締め出して”自国利益のために”選別する思想。「差別ではなく区別」が詭弁なのはこういうところだ。誰がどういう基準で「区別」するのか。あなたの思う「区別」と為政者の思う「区別」は本当に一致するのか。人は簡単に選り分けできるほど、単純ではないのに。手遅れになってから「そんなつもりじゃなかった」と言っても遅いのだ。
帰り道、自分が「日本人ファースト」に拍手する側の人間にならなくて良かったと心から思った。私は自分にできることを続ける。
*1:2025年1月26日付共同通信調査 賛成59.4%