2024/9/15

映画『タレンタイム 優しい歌』

映画『タレンタイム〜優しい歌』公式サイト

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シネマチュプキで『タレンタイム 優しい歌』を見た。予約したのが昔すぎてなんで見ようと思ったのか忘れたけど……シネマチュプキで上映するなら良い作品なんだろうな〜みたいな、そういう感じかもしれない。

2009年7月25日、51歳の若さで亡くなったマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマド。
アジア映画の未来への道しるべと期待された彼女の早すぎる死は世界中のファンを悲しませました。ヤスミンの最高傑作で、長編映画としての遺作になった『タレンタイム(原題)』(2009)が『タレンタイム〜優しい歌』の邦題で、ついに8年の時を経て、初の劇場公開となります。

ヤスミンが遺した映画は多民族国家マレーシアを映しだし、マレー語・中国語・タミル語など言語も複数使われ、民族や宗教が異なる人々が登場します。彼女は様々な人々が混在する世界をそのまま肯定し、民族や宗教の壁を軽やかに越えるヤスミン・ワールドともいうべき世界を描きだしたのです。

『タレンタイム〜優しい歌』は、2009年、彼女の死後に福岡と東京で映画祭上映。その後も、たくさんの人に愛され支えられ、自主上映が続けられ、多くのファンが生まれ続け、映画を見た人のほとんどが、宝物のような映画、生涯のベストワンと語る伝説の映画となりました。

物語
ある高校で、音楽コンクール“タレンタイム” (マレーシア英語=学生の芸能コンテストのこと)が開催される。ピアノの上手な女子学生ムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ちる。二胡を演奏する優等生カーホウは、成績優秀で歌もギターも上手な転校生ハフィズに成績トップの座を奪われ、わだかまりを感じている。マヘシュの叔父に起きる悲劇、ムルーとの交際に強く反対するマヘシュの母、闘病を続けるハフィズの母…。マレー系、インド系、中国系…民族や宗教の違いによる葛藤も抱えながら、彼らはいよいよコンクール当日を迎える……。

あらすじも何も見ずに行ったので「タレンタイムに出場するのよ!」って言ってても「たれんたいむってなんだ????」だった。ここまで何も知らずに見る人いないのでは……?? でもおかげでムルー(ヒロイン)と同じタイミングで「え?!マヘシュって耳聞こえないの?!」ってびっくりしたりした。これはこれで良い物語体験。舞台がマレーシアなので文化的差異に驚く部分も多く、特に物語のメインとも言える「宗教の違い」で「うわーーー………こういうことがあるのか…………」って胸が痛んだ。宗教の違いで親から交際を反対されるとか。日本にいるとどうしてもそういうことが「わからなすぎる」かもしれない。私自分の家の宗派とかわからないもん。親に聞かなきゃなーと思ったけど、こうして聞かないとわからないこと自体がありえないって思われることもあるだろうし。

どうしても他人事で見てしまう自分がいたけど、でも身近に経験したことがまだ無いってだけで現実としてはどこでも存在するんだよね。宗教2世問題もあったし、私だって宗教の勧誘に遭ったら嫌だって思うし。作中の二人の恋を応援する気持ち、宗教の違いで反対するお母さんに「そんなこと言わないで認めてあげて」って思う気持ち。自分がそれを宗教の種類で線引きしてるなら、違う線を引くお母さんのこと本来は何も言えないのかな。ヒステリックでめっちゃ嫌だったけど……。

ポスターだとムルーとマヘシュしか映ってないけど、この映画自体は青春群像劇っぽかった。お母さんが入院してる……ハフィズめっっちゃ良い子だった……。タレンタイムの本番のハフィズのステージが一番グッと来た。「みんな幸せになって欲しい」と思うことが多様性か。

 

マリオネットホテル

TRUMPシリーズの新作舞台、マリオネットホテルを見に行った!

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都内で一番好きな劇場どこ?って聞かれたらサンシャイン劇場って答えるかもしれない。ハロプロの舞台でもずっと使ってたし、TRUMPシリーズでも何度も来ているし。前方は傾斜がゆるめで前の人の頭が邪魔とかあるけど、良いサイズ感で概ねどこの席でも見やすい。サンシャインシティの中にあって駅から近いし(東池袋駅なら直結)何より家から近い!!LOVE。ずっとここでやって欲しい。サンシャインシティ自体結構古めかしいけど、今後改装予定とかあるのかな~。よく考えたら水族館と劇場と展望台がある商業施設って最高だ。話が逸れた。

劇場前で友達を待ちながら、黒い服を着てる人が明らかに多いな……と思った。そんな私も服を選ぶとき、TRUMPだし黒にしとくか……と思って黒い服を選んだ。新約リリウムの時は逆に白い人ばっかりだった。作品の世界観に合わせて服を選ぶおたくたち。嫌いじゃない。

ここから感想書くのでネタバレ注意!!

 

 

 


マリオネットホテルはTRUMPシリーズの中の「グランギニョル」という作品の前日譚という感じだった。これだけでもだいぶネタバレ。全体的に作品のノリが内輪感満載で、これ初めての人大丈夫か……?ってちょっと思った。末満さんのギャグセンスが自分とは合わないんだけど、でもご本人が舞台上で楽しそうにしてるし、まぁいっかぁ……ってなった。すまん、私は末満健一の心身の健康を願う者なので……。内輪ノリは否めないけど、そう~~これがTRUMPシリーズだよね~~~っていう良さもゴリゴリにあった。いや~~も~~エゴ!!さいっこうだよね!!!あんな良い役もらって、梅津くんのファンに嫉妬が止まらない。エゴかわいいよ~~って最初から見てたけど、ラスト…ラスト羨ましすぎる…。エゴまた出てくるかな? 次出てくるときは地獄だな。確約された地獄……。

グランギニョルを見たときと同様に、マリオネットホテルも「この先の未来を知っている」者として見るとハッピーであればあるほど辛い。フリーダ様がかわいくて、あのお声で「私はダリを信じてる」と言うたびにウッ……と胸を押さえた。TRUMPシリーズの中で一番まっとうなお方では? みんな大好きフリーダ様……。どうか幸せになって……。

 

観劇後、グッズを調べたらブラインドキーホルダーがあり、パズルのように嵌めると円になるというものだった。観劇後に見ると「こ、こら~~~!!!」ってなる。悪趣味。嫌いじゃない。エゴが持ってた人形もずっと笑って見てたけど、二回目は笑いながら「いや笑えんよ……」ってなるだろうな。二回目のチケット無いけどもう一度見たい。マリオネットホテル、面白かった。