度会くんと、ほろ苦い七夕
七夕の日に開催された、甲子園球場での阪神戦。ベイスターズが2回に3点先制して始まった試合は、最終的に5-4の逆転サヨナラ負けで終わった。9回裏2アウト満塁の場面で、度会くんが悪送球エラーをした。サヨナラ勝ちで大喜びをする阪神ナインの後ろで、度会くんはグラウンドに膝をついたまま動けなくなっていた。牧と京田が迎えに行き、立ち上がらせてベンチへ一緒に帰った。ベンチの前で、控えの選手たちもみんな待っていた。無数の手が度会くんの肩に伸びて、ぽんぽんと優しく労った。
この劇的な試合の幕切れで、とてつもなく胸が痛むのに心を掴まれてしまっている。地面に手をついて項垂れていた背番号4の後ろ姿が忘れられない。いてもたってもいられずに、またいつもと同じ便せんで手紙を書いた。いつもより長めに二枚使った。書き損じで実際はもっと消費した。こういうときに何を伝えたら良いのか、今までで一番悩んだ。
度会くんはベイスターズの先輩たちのことを、「皆さん優しすぎるぐらいに優しい」と言う。仲の良い先輩、お世話になっている先輩のことを聞かれると、入団して間もない頃から「そんなに!?」というほどたくさんの名前を挙げた。「こんなに優しくて人間として素晴らしいから、チームとして強くて当たり前ですよね」と屈託なく笑っていた。その時はあまり強くない時期だったので、度会くんががっかりしないように強くなれ……!と思った。
度会くんが言う通り、ベイスターズは優しすぎるチームなのかもしれない。三浦監督はどんなときも選手を責めないし、負けた原因を聞かれれば自分だと答える。そういうところが優しすぎるから、甘いから優勝できないんだと言われたらぐうの音も出ない。でも強いこと、優勝することが全てではないと私は知っているから、あまり気にならない。度会くんがベイスターズで良かったと、日に日にその思いが強くなっていく。
あ〜やだなぁ〜〜。10年後の自分が「2024年の横浜DeNAベイスターズが最高だった……」って懐古厨してるのがありありと目に浮かぶ。向こう10年噛み締めるから、度会くんの尊いルーキーイヤー、とにかく怪我なく元気に過ごして欲しい。これが私の七夕の願いです。おわり。