モーニング娘。'19 コンサートツアー春 島根県民会館で推しが増えた話

 

3月に始まったツアーも終わりに近づいた5月末。自分にとってツアー初日となった島根県民会館で、目を奪われた女の子がいた。

この「島根県民会館が初日」というのは2つの要因が重なった結果だった。同時に推しているNEWSのツアー日程が(毎年恒例だが)モーニング娘。とダダ被ったということ、鳥取に住む友達を含めた仲良しグループで行く島根遠征だけは何がなんでも行きたかったこと。それまではなんだかんだツアー序盤の関東圏にはなんとかは入れていたので、ツアー終盤が初日というのは初めての経験だった。でも、今になって思えば多分それが良かった。

去年の12月ぶりに見るモーニング娘。単独のコンサートはめちゃくちゃ楽しかった。セットリストに目新しさは無くても、ベストアルバムを引っ提げたツアーだけありあれもこれも好きな曲ばかりだった。メドレー以外ほぼフルで披露したというのも大きい。普段あまり聞けない2番まで見れるのはお得だ。約半年ぶりに見るということもあり、メンバーのスキルアップを肌で感じられて「すごいすごい!」と興奮した。席が前方のど真ん中、ちょうどステージと同じ目線になる高さだったのでメンバーが代わる代わる私の前に出てきて歌ってくれる感覚も最高だった。普段は大体遠いのでモニターを見たり推しを見ながら一緒に踊ったりしているが、今回は「真ん中に来たメンバーを見よう」と試みた。真ん中に立った時の生田の「私を見ろ!」という目力はものすごくて思わず笑った。生田*1のそういうところがすごく好きだ。ふくちゃん*2・さくらちゃん*3・まーちゃん*4は歌割も見せ場もすごく多くて、今の娘。の中心はこの3人で間違いないなぁと(別に今に始まったことじゃないけど)改めて思った。直前にふくちゃんが「落ちサビの女王」と呼ばれていることを知ったので落ちサビが来るたびに女王の貫録をビシバシ感じた。

ライブの後半、メンバーが舞台裏に捌けた後、真っ白い布を持った数人だけ先に戻ってきた。メンバーが何かアイテムを持って薄暗い中でダンスパフォーマンス的なものをするのはモーニング娘。ではよくあることなので、今回もそうだとすぐにわかった。

ここから、なんとなくかえでぃー*5が目を引いた。

かえでぃーは歌割が多くない。その分ダンス選抜に回ることが多いが、このメドレーでは特にそれが顕著だった。そして踊るかえでぃーは見ながら、頭の中はずっと同じことの繰り返しだった。

「かえでぃーってこんなだったか?」

これまでかえでぃーのパフォーマンスに対する印象は「一生懸命」だった。一生懸命で、一生懸命さが全面に出てまだちょっと余裕がないかなという印象だった。余裕が出たら、パフォーマンスも変わりそうな気がするな。そんな気持ちだった。

島根のかえでぃーは、一言で言うとめちゃくちゃかっこよかった。なんというか「研ぎ澄まされていた」。いつの間にか目はかえでぃーを追っていて、かえでぃーをもっと見たいと思っていた。私はハロプロの各グループに推しは居るし、なんなら娘。には3推しまで居るのだが、かえでぃーを見ていて久しぶりに内から湧き上がるような「推したい」という気持ちが芽生えた。個別握手のような接触イベントにもあまり行かないゆるゆる弱小オタの私にとって、それは「あなたの色のキンブレを振りたい」である。手の中のキンブレは、電池を変え忘れたので一見濃いピンクに見えるようななんとも言えない変な色だった。元々は一推しで我が歌姫である小田さくらちゃんのラベンダー色である。それを変える気はなかったが、いつかイタリアンレッドを振りたいという気持ちは公演中にどんどんふくらんだ。そして最後の曲であるENDLESS SKYでかえでぃーがセンターに立った時、「この瞬間のために私は島根に来た」と思った。終演後、「ごめんちょっとどうしても写真を買いたい」とグッズ売り場へ駆け込んだ。かえでぃーの写真を持っていそいそと戻ってきた私に友人らは爆笑し「誰を買ってくるか予想していた」と言っていた。誰を予想されていたのかはもう忘れたが、「かえでぃー良かったよね」という一言が嬉しかったのでそれだけ覚えている。そう、かえでぃーはすっごくすっごく良かったのだ。

 

 
島根県民会館から10日後の日本武道館。私はキンブレの色をイタリアンレッドにした。ふくちゃんと工藤*6を同時に推していた友人に「どうやって二人も同時に推すのか」と聞いたときに「今日はふくちゃんを見る日、今日は工藤を見る日と決める」と言っていたからそれを試そうと思った。武道館は二日間あるから、アリーナ席の今日はかえでぃーを見よう。歌割の多いさくらちゃんはスタンド席でもモニターに抜かれるのでいいが、歌割の少ないかえでぃーはそうもいかないからだ。今日見て、今後のことを決めようと思った。

 

さて、結論から言うと島根のようにはいかなかった。

アリーナと言っても端っこなので距離があり、またサブステージの真横でもあるのでなかなか個人は見づらかった。その分端っこに来たメンバーだけはよく見えたので、まりあとあかねちんとまーちゃんにはすげーー!!!となった。島根であの席に入ってなかったら鈍感な私は今もかえでぃーには気付いていないだろうな、とも感じた。あと、これは由々しき事態なのだがメドレーの最初と最後の布を使ったパフォーマンスが無くなり、謎の「ハンディビジョン」というアイテムを持つだけになっていた。正直これに対する文句は無限に出てくるのだが、「せめてスキルを活かしてくれ」に留めて割愛する。本当にムカついた。

そんな感じで島根の再来ということは無かったが、それでも今後を決定づけることはあった。武道館でのラストの挨拶である。一人一言言う場面で、かえでぃーはこのツアーを通じて自身の変化を感じたと言った。ライブ中は全身の筋肉を使って踊っていると感じ、体力も向上したらしい。その変化を「自分では良い変化かどうかはわからない」としつつも、明日は今日以上のパフォーマンスを見せられるように頑張りたい。そんな感じの挨拶だった。

かえでぃーは、私が見て感じていた変化を自分でもきちんと自覚していた。自覚した上でその良し悪しを自分では判断しないところも、今日よりも明日という精神も好きだ。私はこの子がこれからどうなっていくのか見たい。

というわけで、私はこれからも時々キンブレをイタリアンレッドに変えて振るだろう。私は接触にはあまり行かないし推しに関するツイートも少ないしグッズだってそんなに買わないので、私に推されたところで何も変わらないに等しい。時々イタリアンレッドの光が一つ増える、それぐらいしかしてあげられることは無いが、それでもこの気持ちを書き残しておきたかった。

かえでぃーがんばれ。一生懸命なあなたを、これからも応援します。

 

 

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*1:生田衣梨奈(いくた えりな)9期メンバー。#えりぽんかわいい

*2:譜久村聖 (ふくむら みずき) 9期メンバー。現リーダー

*3:小田さくら (おだ さくら) 11期メンバー。加入時から推している歌姫

*4:佐藤優樹 (さとう まさき) 10期メンバー。ステージで人が変わる

*5:加賀楓 (かが かえで) 13期メンバー

*6:工藤遥 (くどう はるか)10期メンバー。2017年12月に卒業