私は田口くんにおこっている

私は田口くんにおこっている。それはもうおこっている。

私は田口くんのファンではない。KAT-TUNのファンでもない。ではなぜおこっているのか。単純な理由だ。私が大好きな人たちがKAT-TUNを大好きで、田口くんを大好きで、今回のことでものすごく悲しんでいるのだ。一日中大好きな人たちの嘆きと悲しみを見つめ続けるはめになった。みんな田口くんが、田口くんがいるKAT-TUNが大好きな人たちなのだ。そしてそんな私の友人たちは、誰一人として田口くんを責めたり怒ったりしない。だから私はおこっている。おいおい、田口くんよなんてことをしてくれたんだ。

私は田口くんのことをよく知らない。かっこいいKAT-TUNの中にいながら「入口出口田口でーす!」って大きな声で自己紹介をしたり、「ウソウソカワウソ」っていう嘘みたいなギャグを持ちネタにしていたり、顔がとても綺麗で、長い手足で踊るととてもかっこ良くて、たくさん笑うところが可愛い、かっこ良くて可愛くてとても素敵なアイドルなのだということしか知らない。浅い知識の私ですらこんなにスラスラと褒め言葉が出てくる。それは私の友人らが田口くんのことが大好きでいつもたくさん褒めていたからだ。田口くんは魅力的なアイドルだ。そんなの私だって知っていた。

だから私は田口くんのことをおこっている。田口くんがあまりにも素敵で魅力的なまま脱退を決めてしまったから、みんな田口くんのことが大好きなままなのだ。見てくれ、私のTLを。悲しい寂しいという気持ちと同じぐらい、いやそれ以上に、田口くん大好きだよという言葉が流れてくる。

田口くん、君は罪だ!なんでそんな魅力的なまま、大勢の心を掴んだまま去ってしまうんだ!こうなったら、もうめちゃくちゃデブになって綺麗な顔と手足を愛した人たちを幻滅させれば良いのに! 葉巻みたいなのをスパスパさせながら、両腕に派手な女を抱えて、「よく知らないけど人類とか全員抱いたぜ」なんて吐き捨てて、優しい気立てを愛した人たちを幻滅させれば良いのに!

でも私は知っている。田口くんはそんなことはしない。そうだよな、田口くんは田口くんだもんな。可愛くてかっこ良くて素敵なまま、たくさんの人の悲しみと愛情を持ち逃げしてしまうんだ。

ちくしょう!私は誰に、何におこってたんだ!わからねえ!
田口くん、君は罪な男だ!!